アジア太平洋地域のオルタナティブ市場において、投資家の関心は日本とインドにより向いている - プレキンレポート
世界経済の逆風にもかかわらず、プレキンのアナリストによるアジア太平洋地域に対する長期的見通しは依然として明るい
ロンドン発, July 04, 2024 (GLOBE NEWSWIRE) -- オルタナティブ投資に特化したデータ、ツール、インサイトを提供するプレキンは、アジア太平洋(APAC)地域全体、および日本、中華圏、インド、韓国、オーストラリア各国のオルタナティブ市場動向を解説するレポート「アジア太平洋地域のオルタナティブ市場2024 (Alternatives in APAC 2024)」 を発表した。 本レポートによると、プレキンのアナリストは、資金調達の低迷と地政学的な課題により、アジア太平洋地域の短期的見通しは慎重であるものの、長期的な見通しは明るいと分析している。
アーリーステージのベンチャーキャピタルの投資機会が豊富なインドや東南アジアのような新興国市場や、不動産への投資機会が魅力的な日本や韓国のような先進国市場の成長の可能性が、長期投資家を引き続き惹きつけるだろうという見方をしている。*
また、本レポートでは、APAC地域において投資家が新興ファンドマネージャーよりも、経験豊富なファンドマネージャーを好む傾向が強まっていることを明らかにしている。 プレキンのデータによると、2023年、新興マネージャーによる資金調達総額は平均1億米ドル超 (約159億円) であった一方、経験豊富なマネージャーによる資金調達総額の平均は約1.8億米ドル (約287億円)であった。この平均資金調達額の差は約7,800万米ドル (約124億円)と、2015年以来最大となった。
日本とインドは投資家にとって魅力的な市場
特定の国に特化したファンドが資金調達に苦戦する中、2023年の日本特化ファンドの資金調達総額は、比較的大型のプライベートエクイティファンドがクローズしたこともあり、118億米ドル(約1.8兆円)となり、2022年の資金調達総額を13.4%上回った。 円安と低金利が2023年のディール市場の成長を支え、日本におけるプライベートキャピタルのディール総額は5年ぶりの高値となる348億米ドル(約21兆円)に達した。この金額は、ピークであった2021年の水準を上回り、APAC地域で最も活発なプライベートエクイティ市場の1つとして中国とほぼ並んだ。 一方、インドについて、プレキンのアナリストは、同市場の長期的な見通しは良好であるとしている。 インドのプライベートキャピタル市場は著しく成長し、運用資産残高(AUM)は過去5年間で2倍となり、他のアジア諸国を上回った。特に、インドのプライベートデットAUMは、APAC諸国で最大を誇っている。
プレキンのVP, Head of APAC and Valuations, Research Insightsであるアンジェラ・ライ (Angela Lai) は次のように述べている: 「2023年に世界市場を苦しめた世界的なマクロ経済の逆風から、APAC地域は逃れることはできませんでした。 しかし、APAC地域の資金調達は10年ぶりの低水準に達し、単一国特化ファンドの大半が資金調達に苦戦する中で、投資家の分散投資志向が強まり、リスク選好度が低下し、アジア地域のファンドの需要は高まりました。」
「アジア太平洋地域のオルタナティブ市場2024」の要旨:
- APAC におけるESGファンドの資金調達総額は世界平均よりも大幅に減少:世界の環境・社会・ガバナンス (ESG)ファンドによる資金調達総額は2022年から2023年にかけて38%減少した。APAC地域は最も大きな打撃を受け、資金調達総額は135億米ドル(約2兆円)から31億米ドル(約4,948億円)減と77%減少した。 APAC地域でクローズしたESGファンドの割合は引き続き減少している。 2021年にクローズしたファンド数のうち、APAC地域は14%を占めたが、2023年には6%に減少した。また同期間でクローズしたESGファンドの世界全体の数は10%減となった。
- 堅調な需要に支えられたアジア太平洋地域のオフィス部門:日韓のオフィス市場はディールの焦点になりつつある。 2023年、オフィスセクターはアジア太平洋地域におけるディール総額の39%、ディール総数の53%を占めた。 特に韓国では、ソウルの Aグレードオフィスの空室率が3%を下回り、需要の高まりが見られた。 2024年第1四半期には日本でもオフィスディールが活発化し、韓国を上回り、APACにおいて日本が最も活発なオフィス市場となっている。
- 資金調達が過去10年間で最低の年に:地政学的緊張と金利上昇のため、アジア太平洋地域での資金調達は大幅に減速し、クローズしたファンド数と資金調達総額ともに、10年ぶりの低水準となった。2023年、ファンドによる資金調達総額の平均は約270億米ドル(約4兆円)で、5年間の平均である695億米ドル(約11兆円)を大幅に下回った。また、2023年は中華圏特化の資金調達も大幅に減少した。
記者への注記:
* プレキン発行「フューチャー・オブ・オルタナティブ2028 (Future of Alternatives 2028) 」のレポートより。
より詳細な情報をご希望の方、またはレポート執筆者へのインタビュー等をご希望の場方は、ミミ・セレステ・テイラー (Mimi Celeste Taylor) mimiceleste.taylor@preqin.comまでご連絡ください。
Preqin(プレキン)につい
プレキンは“Home of Alternatives”をコンセプトに、オルタナティブ投資業界で最も包括的なデータ・分析・インサイトを提供し、重要な情報と最先端の分析ソリューションによって、投資ライフサイクル全体を通じて投資家をサポートしています。
20年にわたり、プライベート市場におけるデータの収集方法を開拓し、世界の20万人以上の投資プロフェッショナルに資金調達、ディール、パフォーマンスの把握などにご利用いただき、オルタナティブ投資への理解を深めることに尽力しています。
詳細は、http://www.preqin.com/jpをご覧ください。

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